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965 カリキュラム ~意外と奥が深いものです~

965 カリキュラム ~意外と奥が深いものです~

3月になるとどこの塾も生徒募集に熱が入ります。その中でも『集団指導個別指導か』と言った使い古された論議がまだまだ主流なのは残念です。

集団指導には集団指導の、そして個別指導には個別指導の長所と短所があります。つまり、それを自分にどう合わせるか、そして塾側がどう合わせてくれるかという問題です。どちらが優れているという考えは違うのではないでしょうか。

事実、集団で成果を上げている生徒さん、個別で成果を上げている生徒さんがいます。そして集団でも個別でも成果が上げられない生徒さんがいます。その教室の教務的成熟度合いにもよりますが、どちらが良いと断じるのは拙速な議論です。

 

ただ、生徒さんの特性・学力に合わせる点では集団個別は全く異なります。集団指導は年間計画の中である程度決まった進度を保持して進めます。その中で解らなくなってしまった箇所については各自が補填しなければなりません。

一方の個別指導では生徒さんの個性・学力・定着度合いに合わせて進度を策定していきます。苦手な科目・単元では時間を割き、早く進められそうな単元では進度重視で計画を作ります。その中で解らなくなった箇所は授業で補填します。

こうなると個別指導の方が親切な対応に見えます。しかし当然その中で遅れが生じます。それは何らかの形でキャッチアップさせなくてはなりません。集団指導では基本的に遅れは生じません。

 

以上が表面的な違いです。表面的、とは・・・

遅れや慣熟不足が生じた場合、個別指導塾では学習計画(カリキュラム)を再度策定します。これ、作らない塾やその位置付けを理解していない塾も結構多いのですが、大切な教務作業なのです。

事実、私がこれまで所属した会社組織の学習塾ではカリキュラム作成の指示はありました(ないところもありましたが・・・💦)が、再策定の指示は聞いたことがありませんでした。

私が数教室を指導する立場になった折に各教室長にカリキュラム内容の練り直しを指示したところ『???』という反応でした。まぁ、仕方ありません。

しかし、これが徹底できるようになってからは他の教室でも生徒さんの成績をガンッと伸ばせるようになりました。当然と言えば当然です。

そして遅れを取り戻すためには増コマという形で補わなくてはなりません。これらは季節講習をメインに補強することが一般的です。

一方の集団指導では2~3割の生徒さんが解らなくなったらカリキュラムの見直しをすることが必要です。20人教室なら4~6名が解らなくなってしまうと授業はほぼ機能しないからです。

集団指導の場合はちょっと厳しい形を取らなくてはなりません。方法は幾つかありますが、『習熟度別クラス制ならクラスの再編成』、『カリキュラムの組み替え(発展内容の割愛など)』が一般的です。

 

様々な場面で『○○は生き物です』という表現を聞くことがあります。学習塾では『カリキュラムは生き物』と考えるべきです。理想は全てのパーツをバランス良く育てることが大切です。

集団指導でも個別指導でもカリキュラムを念頭に計画的な学力形成をすることが大切だと思います。

昔在籍していた塾では『今回の授業は前回の終点から』と毎回毎回進歩のない授業を行なっていたところもありました。それでお子さんの力を最大限に発揮させることができますか!?

 

来たれ! 春期入会生!