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946 『解る』を『出来る』に そして継続させる力に

946 『解る』を『出来る』に そして継続させる力に

学習塾への入会シーズンになるとテレビコマーシャルや新聞折り込みが急に目立つようになります。ハイジのCMや電源のCMなどは皆さんにもお馴染みです。

そんな広告にあるうたい文句は非常に聞き心地の良い言葉ですが、たった一言で言いあらわすには・・・と思う言葉があります。それは『分かるを出来るに変える』です。表現はさまざまですがニュアンスとして。。。

学習塾側から見ると『分からない⇒分かった!』にすることは比較的容易な教務となります。分からない箇所の解説とそれに伴うさかのぼり箇所の補足が出来れば完成するからです。

ただ、この方法では『他の問題』や『数値や言葉が変わった』などの変化があると対応が出来ないことがあります。これらに対応出来るようにすることが『出来るに変える』ことです。

『出来る』は一朝一夕には出来上がらないものです。よく例えとしてお話しするのは算数で学ぶ分数の計算。たし算ひき算に必要な通分、かけ算わり算に必要な約分があるので面倒な計算です。

しかし、面倒であってもさほど難解ではありません。それでも・・・多くの生徒さんが間違えます。さらに言及すれば分数の計算が出来ない大学生だっているのです。ウ~ン。。。

分数の計算が出来ていない生徒さんの多くは『分かっている』状態であることが多いと感じます。その上でそれが『出来る』状態になっていないのは繰り返し学習の不足とちょっとしたコツが把握出来ていないところが問題だと思います。

分数の計算、コツについてちょっとだけ触れてみます。たし算ひき算では、①通分、②計算、③約分(確認)です。それでは最初の手順である通分はどのようにやっていますか?

多くの場合、一方の分母分子に他方の分母を掛けるというやり方が主流です。しかし『最小公倍数』という概念をきちんと持っていれば必要以上に大きな数にせずに計算することができます。

かけ算わり算では全ての記号をかけ算に直してから計算しますが、効率的な手順は①約分、②かけ算、となります。しかし約分を後回しにしてかけ算から着手してしまうと必要以上に大きな数になって計算間違い、面倒な約分の原因にも。場合によっては約分を見落とすことも。。。

 

やり方が分かったら正しい手順を踏襲して問題を解くこと、そして類題などを繰り返し解くことが大切なプロセスです。ぱっと見で分かってそれっきり・・・としてしまえばそれは解けるようになりません。

そしてそれを習得させる手段は繰り返し学習です。この方法は『効率が悪い』と昨今敬遠されがちです。しかし、ある程度の反復訓練は学習を進める上で必要不可欠です。世論には反してしまいますが、脳科学的にも反復学習の重要性は立証されています。

そうなると学校における反復学習もクローズアップされます。しかし現状の学校授業ではそれらを期待することは出来ません。小学生の話を聞くと『長期休みに入る前にやったけど・・・』くらいが関の山です。

現在の学校授業ではそれほど余裕がないのです。従って継続的に漢字練習計算練習、中学生になれば単語練習をしている生徒さん全くやっていない生徒さんの間には致命的な差が出来てしまいます。

これは・・・塾に通っているかどうかではありません。要は本人の意志です。毎日コツコツと積み上げることだけです。簡単で誰にでも出来ることです・・・か? イヤイヤ、とっても難しいことです。

日々繰り返して薄紙を重ねる如くの努力をすること、実はこれが一番難しいことだと思います。しかし、この方法で得た力(計算力、漢字・単語力など)は絶対に裏切らないものだと思います。

そして『日々努力を積み上げる』ことは一般的な評価以上に大切なことではないか、私は最近そのように思います。仕事でも人間関係でも体力作り趣味においても、それが出来れば評価されます。出来なければ。。。

 

勿論LS WILLでは毎授業時に漢字テスト・単語テストを課し、毎週計算の宿題を出しています。漢字・単語は『満点で当たり前』と意識付けして取り組んでもらいます。これが継続出来れば必ずキミの力になります。

そして何より大切なことは『繰り返し学習を通じて基礎力の向上を図る』ことが出来るようになってほしいと思っています。そのためのバリエーションも引出しには詰まっています。楽しんで下さい。

 

一気に伸ばす『うさぎ型学習』は注目も浴びやすいのですが、堅実にコツコツと伸ばす『カメ型学習』を軽視していませんか!? 実は『カメ型学習』で得られる実力こそが中学・高校入試で求められる力なのではないでしょうか。

そして受験を目の前にしているキミに向けて。残された日数・時間が短くなるとどうしても基本事項を軽視しがちです。しかし、基本事項の確認は試験当日の試験開始直前まで取り組むべきものです。

浮ついた気持ちを落ち着かせ、基本事項を徹底的にチェックすることこそ発展・応用問題に対応出来る力を磨き上げる最大最善の手段だと思います。

 

ガンバレ! 受験生!