column_archive_header_s
853 7月6日は。。。

853 7月6日は。。。

中高生時の私は読書家と言うより濫読派でした。高校から大学に入って暫くは万葉集に関する本をよく読んでいました。高校生の時に学校の先生から『万葉秀歌』(斎藤茂吉著)を勧められたのがきっかけです。

更に進学した大学が万葉集研究に熱心な大学だったためそれが加速しました。私の専攻は文学ではなかったのですが、興味本位で万葉集を見ることが出来たので尚更良かったのではないでしょうか。

ただ、万葉集の研究書は前述の『万葉秀歌』を含めて文語体で書かれていたり難解な解釈があったりで読みにくいものでした。そんな時に手にしたのが『サラダ記念日』(俵万智)でした。

この歌集は話し言葉のような分かりやすい言葉で心情や情景描写を描いた秀作でした。当時の俵さんは神奈川県の公立高校教員だったので普段からこんな言葉遣いだったのかな・・・そんな想像をしながら読み込みました。

この歌集は『五・七・五・七・七』という定型を保ちながらも古臭い様子が全くありません。これは今読んでも同じ感想を持つのではないでしょうか。みずみずしい感性、と書評にありますが、その通りです。

冒頭の『7月6日は・・・』というのは『この味が良いねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日』という表題歌を引用しました。軽やかな表現で日常を表しているのが魅力です。

これをきっかけに現代歌集にも・・・とはならなかったのですが、改めて万葉集を読むと別の感情が湧いてきたのは新鮮でした。小難しい・・・と言う感覚を捨てて読めるようになったのではと思います。

 

前章では『中学1・2年生の皆さん、勉強を始めませんか!?』とお伝えしましたが、この夏に読書習慣を付けるのも素敵なことだと思います。

『勉強面で読解力が・・・』という話も多少はあります。しかしそれ以上に『読書がキミの青春を・人生を豊かにする』事がかなうからです。

1冊と言わず出来れば2~3冊、目標は5冊を読めるといいな。もしかしたらキミの人生をしっかり支えてくれる1冊に巡り会えるかも知れません。