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9 受験のポイントって?

9 受験のポイントって?

毎年のことですが、受験直前になると難問ばかりを授業でやりたがる生徒さんが教室内に溢れかえります。受験を目前にして焦る気持ちの裏返しだと思います。中には「学校の先生に聞いたけどよく解らなかった」問題や「学校で『入試対策問題』として出された難問」をそのまま塾に持ってきて解説を求める生徒さんが目立つようになります。

確かに入試前の時期には融合問題(高校受験の数学で言えば関数と図形などが代表例です。問題自体の難易度も高くなっています)が必要になり、大いに気持ちが揺れる時期でもあります。しかしそれら難問ばかりに時間を費やして良いかという疑問も生まれてきます。

入学試験の配点は問題の難易度に比例していないケースが多く、一律配点が主流となっています。これは入試事務の繁雑さを軽減するためには致し方ない措置です。そうなると難問であるから点数が高く簡単だから点数が低いという考えが成り立たなくなります。つまり効率よく点数を積み上げるには難しい問題を一つ完璧に答えるより、間違えてはいけない問題を効率よく全問正解する方が重要なのです。

例として入試に出てくる漢字ですが、千葉県公立高校入試では読み・書きで10問が出題されますが、これで満点を取ることはある意味当たり前です。しかし実情としては平均6.8問の正答率で8割を超える受験生が満点を取れずにいます。数学の計算・一行問題や英単語、理科社会の一問一答なども点数を取らなければならない箇所であるにかかわらず同様の推移を示しています。

誤解なきように明記しますが、LS WILLでは難問を排除して基本問題だけをやらせようという考えではありません。重視しなければならないことはバランスです。受験直前だから難しい問題だけを、基本的な問題が確認できていないのに付け焼き刃で総合問題演習を、という考えはしていません。トータルで見て合格点を超えるにはどうしたら良いか、その一点を考えて授業運営・学習指導をしています。

そして受験において今から理解してほしいことは『計算力漢字力をつけるには時間が掛かる。だからこそこの勉強は受験生活が始まったときから開始して試験会場で入試直前まで取り組んでほしい』と言うことです。

毎年受験日当日の夜、一人二人から『試験会場で練習した漢字が、単語が出たよ!』という報告が必ずあります。塾としては嬉しいことですが、学習塾以外の大人がそんな当たり前の助言をしていない現実に愕然とします。

そしてこれから受験生となる諸君は今日から基礎学習を始めましょう。高校受験生なら漢字・計算・英単語を、中学受験生は漢字・計算です。それぞれ、だらだら時間を掛けても意味を持ちません。それぞれ15分を目安に取り組んで下さい。やり方は…教室で直接話したいと思います。