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633 解答解説書の使い方

633 解答解説書の使い方

先日の授業で問題とにらめっこをしている中学生が頭を抱えていました。どうしても解けない、でも出来るはずの問題だと思うんだけど・・・そんな独り言が聞こえてきました。

その生徒さん、ちょっと意地っ張りで最後の最後になるまで質問として解決することが嫌いな生徒さんです。机間巡視している私にも『ヒントは出しちゃダメ!』と言うほど。

以前、質問までを引っ張ってしまう理由を聞いたところ、『センセーがいない時に難しい問題が解けなくなるから・・・』と真摯な姿勢を見せてくれました。これは評価して良いのではないでしょうか。

それなら・・・と私は問題の解き方のヒントをいくつか出しました。

 

1点目、テキストを遡ってみる。解けるんだけど・・・と思う時点で実は殆どの問題が解ける力を持っていると思います。ただ、ほんのちょっとした点を見落としているだけ。それならテキストを遡ってその点を探れば解けるようになります。

2点目、解答解説書を見ること。ドリル系のテキストを除き、殆どの問題集には解答『解説』書が付いています。解答を見ないように解説をチェックすれば解き方の糸口は掴めます。

 

意外に思われるかも知れませんが、テキストを進めて行く中で問題演習ではテキストを遡らせることに忌諱感を持つ生徒さんが殆どです。しかしそれでは片手落ちです。テキストをフルに使って演習する習慣は是非付けてほしいと思います。

また、2点目については学校の先生方があまり勧めていないように思います。まぁ、答を丸写しする可能性が・・・と危惧するお気持ちは察します。

しかし、解答解説書までを含めてテキストと呼び、それらをフルに活用するなら・・・見るべきですよね!? 解らなかった問題ほど解説を見ながら解き直す作業は重要になると思うのです。

特に数学においては『解答暗記法』として勉強法の一つに挙げられています。一定の成果も認められています。それなら是非とも上手に活用してほしいと思います。

 

そんな話を上記の生徒さんにしたら今後質問はもっと減るかな・・・と思っていたところ、逆でした。
『ボクの解き方はこうだけど解説にはこう書いてあるんだ。どっちが正しいのかな?』
『その解き方でも間違いではないけどちょっと回りくどいよね。より簡潔に解ける方が良いよ。』
その生徒さんにとって数学では解答を求める方法が一つではない、それを習得することが出来たのは大きな収穫ではないでしょうか。