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624 大人の見地、子供の見方

624 大人の見地、子供の見方

普段から生徒さんと接してきて『最近の小中学生にはこんな世界があるんだな』と思うことがしばしばです。『子供の目は世相を映す鏡』が実感出来ます。私自身が時代に取り残されつつあることを実感します。

一方で大人の立場として小中学生・高校生に接しなくてはならない面もあります。大人の立場と一言で言ってもご家庭のご意向に沿って、出来れば学校の先生方のお立場も考慮しなくてはならず、なかなか難しいものです。

しかし・・・

子供さんは100人いれば95人までは勉強を好きでやっているわけではないはずです(一部好きな教科はあるでしょうが全部好き、はないと思います)。そしてお子さんをお持ちのご家庭では須く我が子に勉強して欲しいと思っています。

この二律背反した思い、どうやっていけば同じ方向を向けるのか日々思案しています。私のポジションは小中学生・高校生と保護者様の中間にある、そんなことを思う時もあります。上手く橋渡ししたいなぁ。

 

先日生徒さんと面談した際、こんな話をしました。

私   『きっとさ、○○さんはいつも勉強しろってうるせーなぁ、そんな風に思っているんでしょ!?』
生徒さん『・・・』
私   『きっとさ、今も心の中では舌打ちしているんだと思うよ。でもね・・・』
生徒さん『・・・?』
私   『今、私のことを嫌っても恨んでも私は一向に構わないよ。
生徒さん『???』
私   『○○さんが受験を終えて笑顔で塾を卒業出来るなら今は嫌われても良いと思っているよ。』
生徒さん『センセー、そんなことないよ。これからはきちんとやるよ。』

もちろん話はこれだけではなく、具体的な資料を見せて現況を直視させ・・・という段階を経ています。その上で上記の話です。少し乱暴な論調にも見えますが、今のところこの方法が生徒さんに一番響くようです。

小中学生・高校生はほぼ全てのお子さんが勉強したくないと思っている、これは真理だと思います。しかしきちんと向き合わなくてはならない理由がはっきり分かれば(言い換えれば『大人がはっきりと示せれば』)それなりに向き合おうとする気持ちを持ってくれるのではないか、日々こんなことを考えています。