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529 行ける学校・行きたい学校

529 行ける学校・行きたい学校

受験に臨む受験生、大変ですよね。決めなくてはならないことがたくさんあります。その中でも志望校を決めることは一大事です。志望校を決めると自ずとそれまでに上げなくてはならない得点力の目安も決まります。登る山の高さを決めることですよね!?

小欄の表題は昔から受験業界、特に塾や予備校側の論理として叫ばれていることです。自分の可能性を信じて取り組む大切さを説いているのですが、近年はちょっと様相を異にしているのではないでしょうか。この背景には二つの要因があるように感じます。

 

一つは塾や予備校側の都合で志望校を決められてしまう場合。これは…非常に残念な傾向です。塾や予備校はどうしても合格実績が欲しい、そうなれば合格の見込みがある生徒や受講生をピックアップして…という流れなのではないでしょうか。これは受験産業に携わるものとして絶対にやってはいけないことです。進路を決める唯一の指針は『生徒さんの掴み取りたい進路に一番近道の学校』を示すことです。私はこの点については妥協したくないと常々思っています。

 

もう一つは生徒さんやご家庭の意向。あまりに低い学校(あまり良い表現ではありませんが…)を志望校として挙げ、それに固執して受験生活を送るケースも目立ちます。これは現在・近年の学校システムが原因なのではないでしょうか。ただ、この場合は学校が悪者という意味ではありません。

現状のシステムでは成績中・下位からの逆転劇は起こりにくいという意味です。特に2020年度は学校の授業時間が絶対的に足りず、授業も基本事項をトレースするのが精一杯、という先生もいらっしゃるようです。そんな中で中・下位から這い上がるコツを掴むのは難しいことです。諦めてしまうケースがあまりに多いのです。

これを克服するには成功体験が必要です。塾で言う成功体験で手っ取り早いのは定期テストです。ただ単に勉強時間を増やすだけでは点数は上がりません。何度も述べたことですが、試験勉強にはコツがあります。それを示すのが学習塾の社会的使命だと思っています。

 

定期試験でグンと点数が上がった生徒さんの多くはその後に本音を話してくれるようになります。その中に本当に行きたかった志望校』本当になりたい将来の理想像』も出てきます。それを導き出してあげることはその生徒さんの将来において大切なことではないかと思います。