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463 なんで?

463 なんで?

冬期講習から入会した生徒さんの話です。入会して1ヶ月ちょっと、この生徒さんはすごく意欲的に見えます。頑張れるだろうなと感じさせてくれます。実際に教室で勉強を始めてから伸びているのが実感として分かります。

伸びる時期にはどんな生徒さんにも共通の特徴があります。それは『なんで?』と思えることです。授業中に引っかかってしまうポイントがあると教え込みます。これは塾として当たり前のこと。しかし教えすぎないような配慮は必要です。教えすぎてしまうと生徒さんは考えなくなってしまうからです。

指導を受けた生徒さんの反応は大体3パターンに分かれます。一つは説明の序段階、つまりヒントを与えたとたんに『分かった!』となるケース。このケースはほとんど心配いらない状態です。ちょっとした勘違いや見落としなどで解けなくなっているケースが多くなっています。

二つ目は一通り説明して『分かった…』となるケース。これは少し問題です。これは生徒さんが『考えていない』状態に陥り始めています。空返事解っていないのに『分かった』と返事をすることが多くなるのも特徴です。そうなった場合には再度説明を仕切り直し、口頭試問を織り交ぜて一つずつ理解しているかを確認しながら説明するようにしています。これは理解云々ではなく勉強に、問題に集中していない時に起こりがちです。

三つ目は『なんで?』です。一つ説明しだすと分からないところが次々と出てきて一見まとまらなくなります。しかしこれこそが伸びる時期の兆候なのです。まず、疑問に思う点が明確になることは理解していない点が明確になること。疑問に思う点を一つずつ丁寧に解決していけば必ず理解できるようになります。教える側は『そうなっているんだよ』と端折ってはいけないポイントなのです。そして何より、この問題が解けるようになりたいと切実に、そして真剣に思うからこその『なんで?』なのではないかと思います。

先述の生徒さん、三番目のケースなのです。非常に積極的に質問してくれます。そして解らないものは解らないと正直に伝えてくれるところも重要だと思います。自分の勉強を進めるために無駄な時間や手間を費やさないためにも大切なことなのではないでしょうか。

 

ここから先は余談ですが、家庭学習で『なんで?』攻撃を受け、音を上げるお父様お母様は少なくないと思います。実は保護者面談でこの相談を受けることは非常に多くあります。そんな時はじっくりと腰を据えて向き合ってあげて下さい。そして総攻撃を受けた末に『そうなっているんだよ』と答えそうになった時には教室までご相談ください。そのための引き出しはたくさんあります。