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420 小中学生の塾 ~高校部を作らない理由~

420 小中学生の塾 ~高校部を作らない理由~

LS WILLは小学生・中学生をお預かりする学習塾として機能しています。よくお問合せ頂くことに『高校生を預かるコース・大学受験コースはないのですか?』というご質問があります。確かに小学校・中学校で頑張った場所で高校生になってからも頑張れれば良いのかなと思うこともありますが、実は高校部を作らない理由もあるのです。

まず一つ目の理由です。LS WILLで目指すものの一つに自立学習習慣の構築』があります。自ら進んで学習に取り組む姿勢を身につけることは大切なことだと思うのです。確かに勉強は面倒でイヤなものです。しかしそれを乗り越えることによって次の新しい世界が拓けるのも事実です。だから面倒でもイヤでも取り組むべきものなのではないかと思います。

その乗り越える力、基礎部分を作るのが小学生・中学生の時期なのです。その時期に学習習慣を身につけ、学習方法を習得する、LS WILLはその点にフォーカスしています。そしてそれを構築することができればあとは自力で切り拓いていくことができるようになります。それを実感して欲しいのが高校卒業後の進路選択なのだと思います。

よく学習塾仲間に『大学受験もパックで預かればその分の授業料もアテにできるのでは・・・』と揶揄(やゆ;からかうこと)されます。しかしそれは・・・当教室を信頼して通塾している生徒さんやそのご家庭を裏切る行為なのではないかと深読みしてしまいます。それに『高校では塾や予備校に通わなくても学習を進められる力』構築できなかったことになります。

二つ目の理由として、受け皿としての高校選択もその生徒さんが望む進路に対してきちんとした進路指導ができる学校を選んでいる点です。LS WILLのチラシには『偏差値の高い学校より生徒さんの望む進路に一番近い学校がその生徒さんにとっての良い学校』という言葉をよく掲載しています。それはこんな意味を含んでいたのです。

よく、入試レベルは高いのに卒業後の進路は大したことのない高校(そんな高校に『何人合格させました』と鼻高々な塾の広告もよく見ますが・・・)があります。そのような高校が存在することすら世間ではあまり知られていません。授業効率が低い・進路指導ができていない・入試対策が機能していないなど様々な理由がありますが、そんな学校をきちんと見極められる情報を提供することもLS WILLの大切な役割と思っています。

三つ目の理由は消極的なものなのですが、現在の教室運営がいわゆる『ワンオペ』で実施されている点です。私一人の『一人ジュウヤク(『重役』ではなく『十役』です)』なので高校生の通常業務まで入れてしまうと機能不全に陥り、結果として他学年(特に小学生・中学1・2年生)に十分な目が向けられなくなってしまうことを危惧しています。それなら高校受験・中学卒業までみっちりと学習習慣作りを行なって高校生になったら自立学習が実践できるようにする方が現実的かつ効果的だと考えたのです。

とは言っても数章前のように当教室を巣立っていった先輩方が教室に遊びに来てくれることも間々あります。私としても大歓迎ですし、現在在籍している生徒さんにとってもいい刺激になっています。その上で悩み相談(進路についてや勉強以外についてなど)や『話したいことができたから・・・』と教室に来てくれることって本当に嬉しく思います。

その上で『センセーが勧めてくれた高校に行って良かったよ。』と言って貰えることがあります。これは本当に学習塾運営で一番嬉しい言葉の一つだと思います。ただね・・・それは私の進路指導が良かったからではなく、キミが高校生活を充実させられているからです。キミが日々積み重ねている努力の賜物です。素晴らしい青春ですね。

そして・・・こんなことが続くと『高校部も作ろうかな・・・』などと考えてしまいます。私自身が大学受験予備校の教壇にも立っていたので高校部運営のノウハウも大学受験に対する情報や対策も恐らく平均以上にはあるつもりです。しかし上記の理由から現時点において高校部は私にとっての禁じ手としています。どうかご理解頂きたくお願い致します。