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400 幾何学に王道なし

400 幾何学に王道なし

ついに400章です。読んでくださる皆さんのお陰と感謝しています。
夏の暑さが薄れ、陽の落ちる時刻が早くなる頃、小・中学校共学校行事が目立って増えてきます。時期を同じく中学生は勉強の岐路を迎えると言っても良い時期となります。

例えば中学1年生、数学では比例反比例から図形、英語では三人称単数現在形を迎えます。2年生の大きな山場は数学では一次関数から図形、英語では不定詞となります。そして3年生、数学では二次関数から図形、英語では不定詞、そして関係代名詞です。いずれも勉強が分からなくなるほど厄介な単元です。

特に『図形』はどの学年でも嫌がる生徒さんが目立ちます。『数学嫌い=図形嫌い』も過言ではない、そんな風に思います。計算はあれほどできるのに図形になると…そのように感じる生徒さんもレアケースではありません。

まぁ、学習塾側からすれば見れば致し方ないのかな、そのように思います。計算単元なら計算ドリルをやれば結果が出る、対策としては単純です。一方で図形の学習は何をやったらいいのか見当がつかない、そんな声をよく聞きます。

実は図形も方法は同じです。問題を体系化して小単元を作り、それを一つずつクリアしていけば図形は克服できます。ただ、ほんの少し、ほんの少しだけ各小単元に『コツ』が必要になります。そのコツをうまく運用できるようにするために『問題を体系化』する必要があると思っています。

ただ、分類が少し面倒なのと融合分野が多い分、面倒と感じる生徒さんは多いようです。そうなると『なんか楽な方法ないかな!』となる気持ち、本当はよく判ります。

今から2000年ほど前、エジプト王のプトレマイオスが厄介な図形問題に悪戦苦闘していた際、家庭教師であったユークリッド(幾何学の基礎を作り上げた高名な数学者)に『もっと楽に解かる方法はないのか』と尋ねた際、ユークリッドの答えは表題だったそうです。幾何学とは簡単に言えば数学の中の図形単元です。

ユークリッドは『学問を修めるのに安易な方法はない。誰が学んでも等しく経なければならないプロセスがある』と述べたのです。今から2000年ほど前の言葉です。でも、それは今も変わらないようです。

しかし…裏を返せば皆が等しく経るべき道を辿れば数学は解るようになる、と読み解くことが出来ます。だから図形は面白い、そんなことを思います。

図形が主単元となる定期テスト、生徒さんに言わせると嫌がる声の方が多いのですが、実は…チャンスなのです。図形は一問当たりの配点が比較的高く、計算よりケアレスミスが出にくいとされています。それと…

ここから先は教室でお話ししましょう。