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395 まさに『時事問題』

395 まさに『時事問題』

今回も炎上するかな・・・ そんな思いで文章を綴っています。しかし現代社会・国際社会を咀嚼して解説することも小欄の使命かと思い、炎上覚悟で以下の文章を掲載致します。忌憚のないご意見を頂ければ幸いです。

2019年9月に行われた国連の温暖化対策サミット、日本では期待の青年大臣が国際的なデビューを果たしたことを第一に扱われがちですが、国際的には『16歳の少女』の方が格段に高い注目度でした。私の目から見れば『内容的にも』日本の青年大臣を凌駕する内容だったと思います。

この16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんスウェーデンの活動家として学校を休んでまでその主張を積み重ねています。彼女は舌鋒鋭く(鋭い弁舌で、の意味です)現状に、そして既成の枠組みに切り込んでいきます。彼女の言葉は我々大人からすると耳の痛いことばかりです。

このまま経済最優先(特に大資本最優先)で国際社会が運営されるのなら20年30年先、いや、もっと近未来にはティッピングポイント(気候変動が急速に進む転換点)迎え、変化が変化を生む相乗効果(シベリアの永久凍土が融解しメタンガスが湧出するなど)などは彼女の指摘以前にもあらゆる方面で議論されていた、しかしそれらの議論は何の解決にも至らなかったことをグレタさんは非難しました。

彼女の批判はいちいち的を射ているだけに一方では残念に思うこともありました。一つは批判ばかりで何一つ建設的な意見が(これまでも含めて)見当たらないこと(これは私の不勉強かもしれませんが・・・)、もう一つは彼女は彼女が批判する相手からも『繁栄の恩恵』を多少なりとも得ていることです。

2点目の『繁栄の恩恵』については少し言葉を足すべきと思います。現代社会を生きるには少なからず文明の恩恵・繁栄の恩恵を受けなくてはなりません。それを全くなかったかのように論じた姿勢はどうだったのか、その点が大きな疑問となって残っています。仮に彼女が繁栄の恩恵を享受していなかったとしても彼女の両親は、彼女の祖先は・・・とならないでしょうか。

それでも・・・彼女を批判するつもりは全くありません。グレタ・トゥーンベリさんの主張が叶うよう、これからは地球に住まう一人一人が意識していかなくてはならない、そう思うことが大切なのではないでしょうか。

そして余談ですが、2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんやグレタさんなど女性でしかも若年のリーダーがこの21世紀には影響力を持つのではないでしょうか。20世紀は軍事力・経済力を背景にした男性リーダーが世界を席巻しました。21世紀は言論と民意を背景に持つ女性リーダーが力を発揮する時代のように感じます。