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366 会場模試を直接申し込む中学3年生

366 会場模試を直接申し込む中学3年生

先日、千葉県最大の模試業者の入試傾向を分析するご担当と雑談していたところ、ビックリするような話を聞いてしまいました。本当にビックリな話です。我々学習塾業界に身を置くものとして衝撃的すぎて… しかし、一方では肯いてしまうような、そして予測していたような内容でした。

2019年度(平成31年度/令和元年度)の中学3年生、従来より通塾率が異様に低いのではないか、という話でした。その模試業者さんは例年夏休み前から会場模試を実施するのですが、今年は例年にない傾向を示しているそうです。会場模試は『塾経由で申し込む方法』と『ネットなどで直接申し込む方法』があります。今年は例年になく直接申込み組の割合の高さ(具体的な数値まで見せて貰いました)が目立ちました。言い換えれば『塾に行かずに自力で受験する』準備をしている中3受験生が相当に多いようだとのことです。

従前小欄でも述べているように、私個人として『学習塾は必要悪、なくて済むならない方が良い』と思っています。好意的に解釈すれば『なくて済む状態に近付いている』とも考えられますが、現在当教室に通っている生徒さんから状況を聞くと必ずしもそうではなさそうです。残念ながら…

ただ、昨年(2018年度)も冬期講習直前や冬期講習が始まってから中学3年生が入会したケースがありました。従ってこういった状況は頭の隅で予測していました。小欄304・313章もご参照頂ければありがたいのですが、『もう受験生の入会は締め切っています』とする運営はしない方針です。些少(さしょう:ほんのわずか)なりとも塾でお手伝いが出来ることがあるなら可能な限りはお手伝いをしたいと思っています。

ただ、だからと言って塾に通うのは直前でも良いとは思わないで欲しいと考えています。304・313章をご一読頂ければご理解頂けるとおり、直前に入会された生徒さんは受験まで相当に厳しい期間を乗り越えなくてはならなかったことは見落とせません。先輩方はハンパじゃないがんばりを見せてくれたからこそ乗り越えられたのです。

因みに直前入会の先輩、一人は転塾だったので仕方ないとしても、もう一人の先輩は全く通塾していませんでした。その先輩も親御さんも共に『こんなに辛いならもう少し前から塾に通えば…』とのことでした。色々な背景があってのことだと思いますが、それらを踏まえても切実に響きました。

お母様からは『一番上の子だから最近の受験は何も分からず本当に心配だった。センセーが受験にやたら詳しくて本当に安心した。』『ひとまとめに公立高校と言っても今は評価の方法が全く違っていてどの点をどう判断すれば良いか分からなかった。』『中学校の先生は滑り止めを受けたくないと言ったら飲んでくれたが、塾はそれを間違いだと諭してくれた(結局併願私立は受験してくれました)。結果として本人に要らぬストレスを与えずに受験させることができて本人は本当に喜んでいた。』など、ありがたい言葉も頂きました。

先輩ご本人からは『塾ってもっと雰囲気悪いところだと思ってた。でも…ここって明るすぎるよね!』『そんな風に楽しく勉強できるならあれほど毛嫌いしなくても良かったよ…後悔!』私としては凜と張り詰めた空気の中で一心不乱に…と言うのもイヤではありませんが、生徒さんはそれを是としないようです。それなら多少ワイワイしながらでも盛り上がった授業で最大限の効果を上げた方が良いと思っています。形じゃなくて結果なのですね。

受験情報を的確に提供する』『受験生によりぴったりな方法や進路を提案する』、塾の使命にはこんなものも含まれていると考えています。本来は学校の先生からやって頂きたいことです。しかし、これほど毎年入試情勢が変わってしまうとそれも難しいかな… それなら必要悪として』塾がお手伝いすべきかな…と思っています。

LS WILLは勉強を教える『だけ』の塾ではありません。受験情報の提供や進路指導などをトータルサポートする塾でありたいと思っています。以前、生徒さんから『マニア!』と評された進路指導や受験対策はお勧めです。我ながら!