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359 踏み出す勇気

359 踏み出す勇気

先日、卒業後に新しい進路を切り開いて当教室を巣立った生徒さんから手紙を貰いました。その当時を思い出すようなことがたくさん書かれていて少ししんみりとした気持ちになりました。その中でも今更になってその生徒さんの気持ちが分かったこともあり、少なからず新鮮でした。

願う進路を勝ち取れた喜び、努力することの大切さ、日々積み重ねることの難しさなど思うままに書き連ねてくれました。嬉しいなぁ…中学生時代はちょっと斜に構えた生徒さんでしたが、素敵な青春を送っているだろうことが容易に想像できました。

塾に入った時、大変だった季節講習、部活動との両立に悩んだ中学3年の春、そして受験、卒業となかなかの大作でした。その中で印象的な言葉がありましたのでいくつか紹介したいと思います。

一つ目、『中学生の【出来る】【出来ない】の差は【やっているか】【やっていないか】だけの差
これは日頃から私が言っている言葉です。当初はどの生徒さんも『そんなこと…?』と懐疑的に思うようですが『中学校の勉強はやれば誰でも出来るようになる』ものである以上、一定以上の水準に達するために必要なことは『やるべきことをきちんとやるだけ』です。これにさほどの才能は必要ないと思うのですが… でも、この生徒さんはこの言葉を見事に実践して『成績のV字回復』を成し遂げたことは喝采に値するのではないでしょうか。

もう一つ、『塾に入るには勇気が必要だった』
『えっ…!』と思いました。これは初めて聞いた話でしたが、確かに入塾面談は相当嫌がっていたと思い出しました。もう10年近く前の話ですが、お母様と一緒に来校され、入会面談もあまりに順調に進み過ぎたので私の方で不安になったぐらいの面談でした。この生徒さんの心中では『塾って特別な勉強をするところだよね!? そうじゃなきゃ成績なんて上がらないはずだよね!』と考えていたそうです。今となっては笑い話で済むのでしょうが、そういったイメージなら『塾はイヤ!』と思っても不自然ではありません。でも、そこで小さな勇気を持って教室に来てくれた、ここから始めることが出来て本当に良かったと思っています。

最後は『なかなかお礼が言えないけど…』
この先輩、本当に照れ屋さんでした。これはこの先も変わらないのかな。支えてくれたご家族に対して深い感謝の思いを持って文章を綴ってくれました。でも、その気持ちはきっと通じていると思います。

久しぶりにちょっと癖のある文字を見て『ずいぶん大人になったね』と思う反面、『変わらないなぁ』と思うところもあり、何かくすぐったいような気持ちです。たまには教室に遊びに来てね。待ってます。