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298 塾にお金を掛ける意味

298 塾にお金を掛ける意味

毎月の授業料や教材費など、塾にはお金がかかります。予備校のように半年分一年分を前納しなければならないところも少なくありません。兄弟姉妹で通塾されているケースなどではそれが単純に倍かかるのですから・・・

毎月の授業料や季節講習、教材費などを合わせると年間で50~150万円かかるとも言われています。特に中学受験では200万かかるというケースも決して稀ではありません。私自身『えっ・・・』っと思ってしまう金額です。その他にも通塾にかかる交通費、授業と授業の合間に取る飲料代や軽食代も決して軽視できません。

私はこの金額に対して頭が下がる思いでいます。決して『これだけの内容で教室を運営しているのだからかかって当然』とは思っていません。だからこそ『金額に見合った成果を・・・』と考えています。お父様お母様は金額云々ではなく、成果を求めてこの教室にお預けになっていることから目をそらしたくないのです。

私の同世代(つまりお父様お母様とさほど年代が変わらないような)の友達から『塾にお金を掛けるくらいなら・・・』という本音を聞くことがあります。言わんとしていることは理解していますが、塾にお金を掛けることは旅行に行ったり車や洋服を買うのにお金を使うのとは意味が全く違うと思っています。

塾にお金を掛けることはお子さんの学習機会創造に直結します。それが積み重なればお子さんの実力となります。実力が積み上がれば進路選択幅が大きく変わります。その可能性を奪いたくない、そう思うお父様お母様は決して少なくないはずです。

それなら自助努力でその分を積み上げれば良いのではないか、そのような意見もあると思います。しかし現在の入試制度はそれほど単純ではありません。判定のシステムが複雑化していたり、明確な出題傾向があるなど、個人で対処できるレベルではなくなっています。それを個人で自習という形を取って補おうとすれば相当なムダが生まれてしまいます。

折々で記していることですが、私個人の考えとして学習塾は必要悪です。なくて済むならない方が良い、行かなくて済むなら行かない方が良いと思っています。しかし中学校や高校の先生から『塾に行った方が良いのでは・・・』と勧められる生徒さんがたくさんいること、そして塾で学習してやっと理解できる生徒さんがいること、学校内容では満足できずに塾に通っている生徒さんがいること、それらを踏まえて考えるとまだまだこの教室で頑張らなくてはいけないと思い直さざるを得ません。

もう何年も前の話ですが、面談にお父様がお見えになったことがありました。いつもはお母様だったので何かあるのかと思って話を伺ったところ、お金の話でした。決して高い安い云々ではなかったようですが、お父様自身が塾に通わせること自体に懐疑的だったようです。

その面談は通常の二倍半の時間がかかりました。なぜ塾に通わなくてはいけない状況なのか、なぜ高校に進まなくてはならないのか、なぜ定期テストで良い点数を取らせたいのか・・・ 最後にはお父様自身で結論に至ったように思います。『先生、塾に通うお金って子供の10年後に投資するっていうことなのかな!?』

私は思いもよらない言葉でその面談を結んで下さったお父様のお子さんに対する深く大きな思いに感激しました。