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263 大学生クラブの保護者会

263 大学生クラブの保護者会

252章で大学体育会の試合で起こった件についてコメントしました。その後も諸々の問題点が湧出しています。早い時期に解決できることを第三者ながら願っています。

その中で『保護者会』が一つの軸として動いています。中には『大学生にもなってクラブ活動に親が口を挟むなんて・・・』といった論調があるようです。学生のお子さんをお持ちの保護者の皆さん世代ではそう感じるのは自然なことだと思います。お父さんお母さんの時代にはあり得ないことでした。

しかし、時代は変わっているのです。私の所属していた大学クラブでも年度初めの3~4月頃に『新入生保護者対象説明会』を行っています。実施の狙いは多面的ですが、それを実施せずに入部を許可することは今や出来なくなっているそうです。クラブ側の考えをご家庭に・ご家庭の考えをクラブ側にというコミュニケーションシステム構築の初段階になるのではないでしょうか。

大学生でそういった背景があるなら中学校・高等学校の部活動でも同様の動きがあって然るべきです。しかし・・・なかなかそうはならないようです。指導する側の問題とクラブに参加する側の問題、併せて難題が山積しているように思います。

昔読んだ話で出典元も定かではないのですが、立教大学でこんな話があったそうです。立教大学は千葉県出身の英雄・長嶋茂雄氏の出身大学で、氏が在籍していた頃はどのクラブも活発に活躍していたそうですが、1980年代後半から90年代にはその勢いをなくしていたそうです。そんな折の体育会監督者会議で『どうしたら立大に昔日(せきじつ)の勢いを取り戻せるか』という議論になったそうです。

そこに『大学スポーツも保護者の力を借りて・・・』という発言が出ました。多くの会議出席者は『大学生にもなって・・・』『過保護の極みだ。』と失笑したそうですが、その発言主は当時最も勢いがあったアメフト部の監督だったそうです。立大アメフト部は有望な新入生を獲得することでは非常に苦労しているようですが、毎年一定の結果を残し、評価も受けています。これは我々も見習うべきことが隠されている事例なのではと思います。

63章で『愛情豊かなのか、過保護なのか』と過保護について反面的に論じました。ここでも結果的に同様な論旨となってしまいます。現代では大学スポーツでも保護者会が存在し、クラブ運営の一翼を担っていく時代となったのではないでしょうか。そうなれば『大学生にもなって保護者会なんて過保護!』と考えるのは時代錯誤なのではないかと思います。