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247 一生懸命だからこそできる反省 ~その2~

247 一生懸命だからこそできる反省 ~その2~

本章は前章から続いています。

ある生徒さんの『試験後の反省』はこのように変化していました。非常に興味深いものでした。

1年生後期テスト(入会当初)の反省
もっと早く試験勉強を始めれば良かった』
ワークを計画的にやっていれば良かった』
部活動とのバランスを間違えた』

3年生後期テスト(受験直前)の反省
基礎的な問題や一問一答は完璧だったが、記述問題への対応が足りなかった』
ワークや予想問題から出題された問題は100%出来たのは良かった。今後の課題はさらなる応用問題だと思う』
理科や社会の見直し方法の定着がまだ完成していないのでこれから受験までに仕上げていく』

中学1年生の時は『やっていなかったからやれば良かった』という反省だったのが3年生になると非常に具体的な反省となり、そしてこれからの学習計画立案に大切なポイントが含まれています。そしてそれを活かすことはその生徒さんを伸ばすに当たって非常に大切な要素となるのです。

この生徒さんは2年生に上がる時点で入会しました。1年生の定期試験は5科目最高が280点、しかし、2年生後半から急激に点数を伸ばし、2年生での5科目最高は392点でした。この点数、1年次より100点以上も伸ばしているので生徒さんにとっては誇るべき点数ですが、その試験後には『なぜあと8点が取れなかったのか・・・』と非常に悔しそうな顔でその後の授業に臨んでいました。

結果的には中学3年次に自己最高点の430点(1年の時から較べると150点もアップしています)を取れるまでになり、入塾当初の志望校より偏差値的に10以上高い高校に進学しました。今では高校卒業後、充実した大学生活を送っているそうです。

これらを踏まえて考えると『点数が悪かったから悔しい』と考えるのは短絡的なのではないかと思います。『一生懸命取り組んだ、点数も伸びた、でも悔しい。だからその反省を活かさなくては・・・』となる生徒さんが圧倒的に多いのです。

スポーツ選手のコメントで『一生懸命やって失敗した経験があるから今の成功がある』と言った話を時折耳にしますが、大切なことは『一生懸命やる』ことなのだと思います。そうすれば自ずと方向性は見えてくる、あとはその道を進むだけなのだと思います。反対に一生懸命取り組まなくては反省のしようがありません。まず『一生懸命にやらなかった』ことが反省点になるからです。