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239 二刀流を始めるには・・・

239 二刀流を始めるには・・・

最近はプロ野球の影響もあって二刀流がもてはやされているようです。多角的な才能を発揮できる選手はまさにスーパースターとして斯界に君臨しています。当教室に通う生徒さんからもそんな才能を開花させる卒業生が出て欲しいな・・・と密かに思っています。今回は『二刀流プレイヤーの共通点』について関心を持って観察しています。すると・・・

二刀流を始めるにはまず一つのことがきちんと出来上がらないとなりません。中途半端なまま次に進めてしまうとそれは二刀流ではないのです。野球ならきちんとピッチング練習をした上できちんとバッティング練習をすることが出発点になっているのです。どちらかが半分でどちらかが8割、では意味がないのです。

そうなると時間管理はどうなっているのでしょうか。本来はピッチングのみで練習時間を費やすことが普通ですがそれを半分にしてバッティングに費やす時間を作るとなると・・・ 実はここが一番のポイントだそうです。必要な時間を確保するために効率的なトレーニングが求められます。当然『ピッチャーだけ』『バッターだけ』より大変な練習になることが解ります。場合によっては他の人が練習を終えてもトレーニングをしている、他の人が練習を始める前から始めているなどの取り組みも要求されるそうです。タ・イ・ヘ・ン・・・

そしてそれらが全てクリアされた時に晴れて『二刀流プレイヤー』として日の目を見ることが出来るのです。しかも、どちらを取っても人より抜きん出ている力を示さなければ選手として活躍することは出来ません。本当に大変なことではないでしょうか。

では、部活動と勉強の二刀流』を考えた時、どうなるでしょうか。ここまで野球を例にして話を進めてきましたのでその流れで進めていきましょう。高校野球は練習時間も長く、簡単に両立と言えるほど甘くはありません。しかし甲子園常連校と言われている学校には受験界でも超名門と言われている学校が数多くあります。つまり『野球だけしていれば良い』と考えているわけではないのです。(現代では『野球だけ』と考える学校は少数派です。)

そこで勉学と部活動に向き合っている生徒さんの多くは素晴らしい『二刀流プレイヤー』です。部活動にも勉強にもきちんと向き合った日々を積み重ねることは彼らの大きな財産となるに違いありません。

また、あるメジャーリーガー(出身高校は名門で名門私立大学も卒業している選手です)は『勉強も野球も全てはトレーニングのに左右されると思います。ただダラダラやっているだけでは自分本位な自己満足しか得られません』と言っていたのは衝撃でした。日本のスポーツ界では未だに根性論が幅をきかせています。そんな中でこの発言は素晴らしいことなのではないでしょうか。

最後に『元祖二刀流』の宮本武蔵が残した言葉を。『左右それぞれの刀を自在に操れなくてはならない。初心者だから一本の刀、という考えではいけない。身につけている武器(刀、脇差し)は全て使うべきだ。そしてそれらが自在に使えるように常に鍛錬(練習)すべきなのだ。』

これを『部活動と勉強の二刀流』に言い換えてみましょう。『部活動も勉強も自分が望んだ結果を出せるように取り組まなくてはいけない。まだ受験ではないからと勉強を怠ってはいけない。目の前にあるチャンス(定期テストや部活動の定期戦など)には全力で臨み、それを次のステップと出来るよう成長しなければならない』とすると少し大変かな? でも冒頭に話したとおり、二刀流は大変な努力を要するのです。