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238 季節講習

238 季節講習

学習塾では長期休みに講習を行います。春期講習・夏期講習・冬期講習、皆さんも耳なじみの言葉ではないでしょうか。特に受験生ともなればこの時期に缶詰となり一日中勉強をしなくては・・・と憂鬱な気分(?)になる生徒さんも少なくないのではないかと思います。

さて、先日私の友達(神奈川県在住)から相談を受けてビックリしたことがありましたので今回は『季節講習の意味 ~春期講習編~』について話を進めていきたいと思います。私の友達、息子さんが新中学2年生となるそうです。小さかった時はキャッキャと声を上げて一緒に遊んだのに先日会った際は妙に大人びていてビックリしました。

中学1年生で部活動で忙しすぎて勉強がおろそかになり(よくある話ですが・・・)数学が全く解らない状態になってしまいました。集団授業ではついて行けないと判断した私の友達はCMでも有名な全国展開している個別指導塾へ入塾させ、一月半ほど経ったそうです。

学習内容が気になって・・・とのことでしたので話を聞くと『新2年生の春期講習で1年生の図形を未だにやっている。』とのことでした。その範囲は1年学年末試験で壊滅的だったのでそこを補習しているそうです。この春休みは1年の図形で終わりそうだと話していました。親心と思うのですが『次の定期試験が心配だよ・・・』との言葉は本音でしょう。

その塾の教室長先生なりに色々と考えて学習計画を立案したと思いますので断言することは差し控えましたが、私なりの助言として『3月一杯までに1年生の計算(正負の数・文字と式・一次方程式)をしっかり復習して2年生の計算(式の計算)を前倒しで備えれば中間テストまでには何とか出来るのではないか』と伝えました。

春休みは非常に短く、また細々とした行事もあってなかなか時間を取って勉強することが難しい時期です。従って腰を据えて苦手箇所を全部撲滅するには時間が足りないのです。私としては『苦手箇所の撲滅より新学年のスタートダッシュを円滑にするための準備』に精力を傾けた授業運営を心掛けています。

また、冒頭にあるような『缶詰学習』は春期講習で行うことが出来ないことの方が多いのです。部活動があることや『気持ち的にまだ受験生になっていない』生徒さんも多く、集中しきれない中での実施となるため効果が見込めないからなのです。もちろん、春期講習から丸々一年頑張る時間を割ける方が効果的ですが現実的ではないようです。

反対に非受験生の生徒さんは『講習受けても・・・』と考えるケースが少なくありません。春期は特に目立ちます。しかし春期講習で新学年のスタート準備をきちんとすることによって1年間の生活が大きく変化することもあるのです。そういった意味では夏期講習や冬期講習より参加の可否が成果として大きく分かれる講習と言えるのです。

講習はそのタイミングや掛けられる時間によって上手に使い分けなくてはならないものなので学習の内容が重要です。そしてお子さんはいつでも成果を期待しています。成果の上げられない講習は・・・ただ苦痛が残るだけなのではないでしょうか。成果、つまりテストの点数で『勉強をやって良かったな』と実感できるような運営をしたいなと思います。

夏期講習・冬期講習のポイントについてはまた折を見て意見を申し上げたいと思います。ただ、講習に対して非常に消極的なご家庭・生徒さんもいらっしゃいますがそれは233章の章末に挙げたような事例に近いのではないかと思いますが・・・