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235 通知表

235 通知表

当教室では学校から配布される通知表を生徒さんから提出して貰います。通知表は重大な個人情報なので受け取る側も厳重な管理の下で扱います。うっかりして机の上に置きっぱなしで・・・ということは絶対にしないように、生徒さんが教室内で紛失するようなこともないようにしつこいほどの声がけを行います。

でもやっぱり・・・生徒さんにとって通知表を見せることは抵抗があるようです。それは誰でも持っている気持ちなので尊重してあげたいと思っています。しかし通知表を確認しないことには学習計画の立案進路指導に大きな支障が出てしまいますのでその点を生徒さんやご家庭と確認しながらやっています。

皆さんは通知表を渡されたら何を見ますか? 『国語は4で数学は5、英語も5だったよ。ただ、美術は苦手だから3で仕方ないか・・・』というように科目ごとの評価だけを見ていませんか? 進路指導を行うには、つまり学習塾を運営するに当たってはそれだけでは足りないことがたくさんあるのです。

科目評価については『5に近い4なのか、3に近い4なのか』を判断しなければなりません。それは観点別評価定期試験の得点で判断が付けられます。つまり同じ『4』でも『上の方の4』と『下の方の4』があってそれを見分けなければならないのです。従って同じ『4』でも今後の対処方法が異なってくることがあるのです。

最近はもっと重要なことも生まれています。これは高校入試、つまり中学生の通知表で起こっています。158章『意外?なこと ~その②~』でも触れていますが、千葉県公立高校入試では2018年度入試から『前期選抜における評価項目』が学校ごとに示され、各学校ごとに異なった配点で入試を行うことになっています。つまり志望する高校の求める生徒像に合致しているかを検討しなければならなくなっているのです。これは新しいシステムなのでもう少し動向に注目しなければならないと思います。

最後に意外と見落としがちな項目ですが、行動記録出欠状況についても入念に確認しています。そんなところ・・・と思われがちなところですが、実はこれも入試に直結しているからなのです。あまりに数値が悪いと入試において審議対象となってしまいます。生活態度は評価しにくいものなので数値化されるもの(行動記録の○の数、遅刻の数など)は普段から意識して欲しいと思っています。

そう言えば・・・通知表を見せて貰う時は生徒さんとミニ面談のような形で話し合うようにしています。その時にぽつりと『お父さんは数字(恐らく科目評価のことだと思います)だけ見て良い・悪い、だけだったのに・・・先生は何をそんなに細かく見ているの?』と尋ねられたことがあります。いやいや、通知表の役割は『良い・悪いを知らせるもの』ではないのです。学校の先生から『ここをこうやって直せば?』という熱いメッセージだと考えましょう。それを前向きに受け止めることによって将来のキミは伸びるのではないでしょうか!?