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183 大学への進み方

183 大学への進み方

毎年、秋頃からぽつぽつと『大学・短大、受かりました』と教室に報告してくれる先輩方がいます。学習塾を運営する身として嬉しく思える時間です。高校受験を突破した時以上の明るい顔をしている姿は本当にまぶしく見えます。

幾度となく小欄で述べていることですが、LS WILLに高校部の設置はありません。しかし塾を卒業して3年も経っているのにこのような報告が聞けるなんて嬉しいことです。その中でも『秋頃に』こういった報告を聞けることに一種の感慨を持ってしまいます。

授業中でも面談時でも生徒さんや保護者様にはことあるごとに大学進学の話をしています。勉強の方法について説明するとどうしても『高校での勉強はどう取り組むべきか』『大学進学にはどう備えるべきか』などの話となります。現代の大学受験トレンドについても折を見て伝えていました。その中でも『高校3年間の成績をきちんと取って推薦でいけるような取り組み』について話しています。

大学受験は一時期の予備校主導型から学校主導型変わりつつあります。それは大学入試が一般試験重視から推薦系重視に移行していることに原因があります。『本番試験一発勝負』から『三年間の頑張りを評価』することに重きを置いた選抜に変わりつつあるためです。

そんな中、先日ある会社で人事担当をしている方の話を聞いて驚いたことがありました。その会社では入社選考の際に『大学入試の方法』を聞き出し、推薦系の入試をした学生に対して一般・センター入試の学生より低い評価をしている、とのことでした。

未だに大学入試を理解していない会社・人事担当者がいるのかな、と寂しい思いをしました。『一般入試=大変』『推薦=楽をした』と捉えているなら大間違いだと思うのです。一般入試では高校3年間トータルの頑張りは殆ど評価出来ません。つまり『3年間のうちの何年間かはサボることも可能』というシステムなのです。

対して推薦系入試は3年間コツコツと取り組まなくては安定した評定を得ることが出来ません。従って日々地道に学習を進めていくことが求められます。1年間どころか、1回の通知表であっても評定を下げるようなことは厳禁なのです。従って推薦系入試も決して楽な入試ではないのです。

高校3年生の冬休みに青春を謳歌しているか、必死に勉強しているか・・・この点だけを見て『楽な進路選択』『大変な進路選択』としている会社が一部にあることは否めません。そうではありません。進学方法に優劣はないのです。3年間平準して頑張るか、一時期に集中して取り組むかだけの違いです。決して『どちらが楽か』という比較論にはならないのです。