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173 逃げたくなる気持ち

173 逃げたくなる気持ち

一般に学習塾は勉強の出来る生徒さんばかり、と思われがちです。しかし当教室にも勉強が苦手な生徒さんは少なくありません。勉強が苦手だから塾で補強を・遡上学習をしようと言う発想なのです。多くはご本人の意志より親御さんが手を引いて無理矢理塾に・・・と言うケースが殆どです。

こういった生徒さん、『俺って・私って出来ないから・・・』とやる前から諦めている生徒さんが非常に多いのです。やる前から諦められてしまうのは非常に悲しく感じます。恐らくこれまで失敗を積み重ねてきた経験から『どうせ出来ないよ』と初めから試合放棄してしまうのでしょう。

これらの生徒さんは共通した特徴があります。一つは基礎学習を嫌うことです。単語学習・計算練習をせずに英語数学が解るようにはなりません。そのためには単語・計算の基礎をきちんと練習しなければなりません。しかしそれから逃げていたらいつまで経っても勉強として進められる準備は出来ません。

また、二つ目は一つ目と関連しますが、家庭で学習することが苦手なようです。勉強が苦手・嫌いであれば最初から毎日1時間勉強することは無理な目標です。従って1日10分の勉強から始めれば良いのですが、『1時間やらないと・・・』という背伸びや強迫観念(?)から10分の基礎学習を省いて1時間勉強しようとしますが、『解らない』が続いてしまい、勉強に嫌気が差します。結果として『家庭学習時間0分』となってしまうのです。つまり『勉強すること』からも逃げてしまうのです。

世の中に『V字回復』という言葉が一般化されつつあります。しかし学習において、特に遅れている学習において一気にキャッチアップさせることは可能ですが相当な苦痛を伴います。また、反動で勉強から気持ちが離れてしまうことも多々あります。そうならぬように段階を踏んで着実に追いつかせることが大切だと思います。

小中学校・高等学校で行う勉強はきちんと学習を積み重ねれば皆同じ解答になります。それぞれが独立しているわけではなく、有機的に結合した結果として学習することが多いのです。『勉強って難しい』と思っている小中学生の皆さんには立ち止まってどこから難しくなっているのか』『どの点が解らないのか』を一度洗い出して欲しいと思います。

そして学習を積み上げる基礎は『毎日10分の学習』で基礎力を作ることです。分数小数の計算・正負の数の計算が出来てこそ方程式の計算に着手できるのです。分数計算が出来ないうちに方程式の計算を・・・と背伸びしても成果は得にくいのはないでしょうか。基礎の基礎をきっちりと固めることから逃げては次に進められなくなるのです。