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169 誤字脱字 ~気をつけておりますが・・・~

169 誤字脱字 ~気をつけておりますが・・・~

小欄作成に当たり、文章表現誤字脱字には特に気をつけているつもりですが、それでも『完璧な文章で表現できている』とは言い切れません。非常に心苦しく思います。

なぜなら『受験生が答案用紙に誤字脱字を書くのは致命傷だよ!』と授業中しつこく意識付けをしています。その本人が・・・となるからです。

一方で『人間だから必ず間違いはある』とも言っています。しかしこれは『だから間違えて良い』としているわけではなく、『だから間違いを探す努力(つまり見直しです)をしなければならない』と続けたいのです。

千葉県公立入試国語に出題される作文には各校明確な減点規程が設けられています。『誤字脱字は○点減点、表現が適切でないものは○点減点・・・』と言った形です。だからこそ誤字脱字や不適切な表現は避けたいものです。

誤字脱字は一字ずつ見直さなければならない性質上、なかなか見つけにくいものです。特に『かたまり読み』(小欄26章『読書は必要?(2)』をご参照下さい)をしてしまうと見つけることは難しくなってしまいます。ここは『声を出さない音読』を意識して読むと一字一字を意識して読み返せるので有効ではないでしょうか。

不適切な文章表現は受験において『意味の通らない文章』と置き換えましょう。意味の通らない文を書かないようにする、言い換えれば解りやすい文章を書くためにはどうしたら良いのでしょうか。

文章を書き慣れないと一文(文の始まりから『。』まで)が長くなる傾向にあります。その結果、書き出していた時に言いたいことと書き終わりで述べたいことが微妙にずれることがあります。これが意味の通りにくい文章の正体です。対策は非常にシンプルです。一文一文を短くするのです。

また、作文を最後まで書いてから読み直し、表現がおかしかったり誤字脱字が見つかることがあります。そうなると全部消して書き直しとなり、時間的にも大きなロスをしてしまいます。そうならないように文章が一区切りしたらその時点で読み直す習慣付けも必要です。そうすれば『出だしで解らない文章を書いてしまって・・・全部書き直しだぁ・・・』という絶望感を試験会場で味わうことは避けられます。

さらに万全を期すならきちんとした構成を作ってから書き出せばこんな失敗も減り、また、序論だけで設定字数の大半を潰してしまうようなアンバランスを防ぐことも出来ます。しかしこれは時間的な問題もあるので書き進めながら構成を考えることも出来るトレーニングをすることも大切です。

普段学校で行う作文は文集に載せるために書くものも多く、伸び伸びとした表現が求められます。対して受験作文は減点法を元に『採点』されるものである以上、文集作文とは似て非なるものなのです。配点も大きいのできちんと方針立てして取り組んでいく必要があります。