column_archive_header_s
168 理科・社会の記述問題

168 理科・社会の記述問題

このタイトル、中学生の皆さんが顔をそむけるような言葉なのではないでしょうか。現実問題として、比較的易しいとされるような問題でも正答率が上がらず、全くの白紙で答案提出する生徒さんも目立ちます。

理科社会の記述対策について皆さんはどのように取り組んでいますか? 『取り組むこと自体がイヤ!』と投げ出した生徒さんもいましたが、実はさほど難しいことではないのです。だから投げ出さずに考えましょう。

折に付け『理科社会の基本は一問一答』という話を小欄でも述べてきましたが、これは記述対策でもあるのです。

一問一答式に出題すると『生態系の中で生物同士の関係を“食べる”“食べられる”という形でつないでいくことをなんと言いますか』、答は『食物連鎖』です。

反対に『食物連鎖について説明しなさい』という問題が出たら『生態系の中で生物同士の関係を“食べる”“食べられる”という形でつないでいくこと。』と答えれば完成です。記述問題対策の出発点はここから始まっていますね。

社会でも『財政難に苦しんだ徳川幕府で八代将軍徳川吉宗が行った幕政改革。質素倹約の奨励・上米の制・公事方御定書の制定・目安箱の設置などを行った改革を何というか。』、答は『享保の改革』です。

同様に『享保の改革について説明しなさい』と出題されたら『財政難に苦しんだ徳川幕府で八代将軍徳川吉宗が行った幕政改革。質素倹約の奨励・上米の制・公事方御定書の制定・目安箱の設置などを行った。』で二重丸です。

こうして考えれば一問一答と記述問題が表裏一体であることが分かります。だからこそ基礎となる一問一答はきっちりと完成させなければなりません。

一方、少し厄介な記述問題として『資料を見て解く』問題があります。理科の実験方法や結果とその資料、社会の地図や表・グラフなどを読み取って論述する問題・・・。それらはそれに対する準備、つまり専用教材による学習が欠かせません。また、記述問題への対処方法や解答形式も覚えなくてはなりません。

しかし、例年の傾向で言えばこういった『厄介な記述』は出題されても1~2問、年度によっては全く出ていないこともあります。従って基本的な記述問題(一問一答⇔記述問題形式のもの)がきちんと解けるようになることが第一段階として大切なのではないでしょうか。

そう考えれば『記述問題はイヤ!』という気持ちも少しは薄れるのではないでしょうか。記述問題は理屈だけ解っていても問題数をこなさないと出来るようにはなりません。間違いを恐れずに一問でも多く取り組みましょう。