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165 みんな同じ? ~面接の話~

165 みんな同じ? ~面接の話~

106章で面接について述べました。この章は反響が多く、また、中学生から直接のお問い合せもあって少し驚かされました。それだけ皆さんにとって不安が多いことなのだと思います。

2018年度の千葉県公立高校入試は大激変となりました。面接も旧来のA・B・C・Dのようなランク分けではなく、得点化して評価するようになりました。つまり面接の点が学力検査の点や内申点と同等に扱われるようになったのです。

そんな中で面接において事前に用意できる志望動機や自己アピールが少し脆弱な生徒さんが散見されます。もし、受験までに時間が残されているなら再度練り直しておくことをお勧めします。

『私は伸び伸びとした、また明るい校風の○○高校の雰囲気に親近感を覚えました。この環境で3年間学習や部活動に励みたいと思い、志願しました。』
ウ~ン…間違ってはいませんが…

志望理由を作るにはまず相手をきちんと知ることです。学校説明会・学校ホームページなどでこの学校にはどのような特徴があって求める生徒像は何を要求しているのか、そして学校独自のシステムや特徴をきちんと整理することです。

第二段階として自分の将来設計です。具体的に将来の職業はどうする、まで決まっていなくても良いのですが、せめて高校卒業後はどうしたいかは明確にする必要があります。高校は学校によって出口が全く違っています。『文系の大学に行きたい』『理系の大学に!』『行くならやっぱり国公立大』『すぐにでも技術を学びたいから専門学校』などなど、それぞれに選択肢はあります。そしてその選択肢の過程に○○高校がある、だから○○高校で3年間を過ごしたい、とすることが志望動機になるのではないでしょうか。

もちろん、『有名な、活発な、強豪の部活動があってそこで3年間を過ごしたい』という側面もあって良いのではないでしょうか。3年間を充実させることは非常に大切なことです。

こうやって考えていくと『のびのびとした明るい校風の~』という志望理由にはならないように思います。きちんと分析して『自分の将来において有用な進路、だから是非この高校に進みたい』という意欲が高校側に伝わるのではないでしょうか。

自己アピールについては個人差があるので生徒さんごとに話し合いながら作っていますが、間違えやすいところを一点だけ挙げてみます。

① 『私は友達から責任感が強いと言われ、部活動ではキャプテンを務めました』
② 『私は部活動でキャプテンに推されました。私を推薦した友達にその理由を聞いたら責任感が強いからと言われました』
どちらがより強い責任感を持っているように感じるのでしょうか。

自己アピールは事象を並べるだけでは相手に伝わらないことがあります。それをどうやって印象に残るような伝え方が出来るかが大切になるのです。上記の例では①だと『責任感が強い』がキャプテンを務めたことに繋がりにくい(それだけではないと感じてしまう)のに対し、②では『責任感が強いからキャプテンに推薦された』と読めます。それだけでも②が有利と判断されます。

志望動機と自己アピールだけを取ってもきちんと検証すれば皆それぞれ違う形で表現できることが解ります。特に集団面接では『前の人と全く同じ…』という形(これは決していけない訳ではないのですが、心情的に焦ってしまう原因となります)は回避できます。また、きちんと推敲した内容であれば評価に値する面接とすることが出来るのです。

面接で予め質問されることが予想されることに対してはきちんと紙に書いて文章を起こすことも大切です。ましてや学科検査と同様に点数化されるならその労を惜しむことが果たして正しいのか少し考えてみましょう。