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153 小学英語 ~その1~

153 小学英語 ~その1~

平成30年度から小学5・6年生の英語が必修化され、2年の移行措置を経て教科の評価を実施することは皆さんご承知のことと思います。その上で、現時点(2017年12月)において考えられる問題点とその対処についてお知らせしたいと思います。

まず、小学英語と中学英語の違いについていくつか挙げていきましょう。
小学英語は英語4技能のうち、『話す』『聞く』に重点を置いている(多少の『読む』『書く』はあります)のに対し、中学英語『やりとり』『発表』『書く』『話す』『聞く』として『5つの領域』で学習を進めます。

文法について、中学英語は『文法中心』で学習を進めるのに対し、小学英語では基本的に文法という概念を持たせずに学習を進めていきます。それでは小学英語はどのように学習を進めるのでしょうか。

小学英語では基本構文をまず覚えます。これが文法ではないところがポイントです。
例文 『What do you want to be?』(あなたは何になりたいのですか)
   『I want to be a teacher.』(私は先生になりたい)
この文の赤字の箇所を他の言葉(この場合だと職業)に変えて会話文を作ろう、という趣旨で授業を運営します。その結果、小学校で習う単語は約700語となる見通しです。

まず第一の問題点、この文章で使われている文法項目、実は中学2年生で習う不定詞を用いています。これを『文章を丸暗記して赤いところだけ入れ替えなさい』として、果たして効果はあるのかという点です。

他の科目では『考えること』を要求するのに対し、英語は逆行して丸暗記では生徒さんが混乱してしまいます。『なぜ?』『もっと知りたい!』と欲求を持つ生徒さんには結局文法事項からきちんと積み上げて行かねばならないのではないでしょうか。

これは決して特殊な例ではなく、文法としては中学2年生で学ぶものを例文として小学5・6年生で学ぶようになります。現場で生徒さんを指導して思うのですが、『基本構文だけ覚えれば・・・』としてしまうのは少し短絡的な学習なのではないかと思います。

この点についての対処は『ある程度の文法事項や約束事はきちんと学習する』ことが最低限必要になるのだと思います。それは中学校英語の前倒し学習を指します。小学生には少し苦痛を伴う内容になることは非常に危惧しているのですが・・・

この章は少し長くなりますので2点目は次の章に続けます。併せてご一読下さい。