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91 不定詞② ~厄介な文法~

91 不定詞② ~厄介な文法~

2点目の話に入る前に少し残酷な話をします。不定詞は国語の文法に苦手意識を持っている人は教科書や参考書・問題集で学習してもほぼ理解できません。何故ならこの単元は特に国語の文法用語がポイントになっていて、これが押さえられないと『???』となってしまいます。そうならないための方法も併せて説明していきます。

不定詞の定番問題として『この不定詞は以下のどれと同じ用法か』という問題があります。この問題の根幹は『この不定詞は3用法の中のどれか』と問うているのです。

形容詞の三用法は『名詞的用法』『形容詞的用法』『副詞的用法』を指します。ここで国語の文法が出てくるのです。名詞はともかく、形容詞と副詞の違いを今一度確認しなければなりません。これは英語のテキストではなく国語のテキストを確認しましょう。(品詞の役割は中1国語の範囲です)

形容詞は「体言を修飾するもの」、それに対して副詞は「用言を修飾するもの」です。これさえしっかりと把握できれば行く先は明るくなります。例え文の形を忘れてしまったとしてもその問題文が訳せればその問題は解けるからです。

不定詞を日本語英語の並立した形で勉強してみましょう。

「私は勉強するために学校に行きます」「I go to school to study」、この文章の主語は『私』、動詞は『行きます』です。不定詞で表すべき箇所は『勉強するために』となります。この『勉強するために』は何を修飾していますか。これは『行きます』を修飾しています。すなわち用言を修飾している、だから『勉強するために』は副詞節となり、副詞的用法と言えるのです。

もう一つ、これは例文によく使われるものですが、「私は何か飲むものが欲しい」「I want something to drink」、この文章は主語が『私』、動詞が『(ものが)欲しい』、そして不定詞で表すべき箇所は『飲む』です。そして『飲む』は何を修飾しているのかを考えます。これは『もの』を説明しています。もの』は名詞なので形容詞節となり、形容詞的用法と判断できます。『something to drink』は定番例文なのでぜひとも暗記してほしい表現です。

不定詞については2点述べました。これらがきちんと運用できるようになったら和文英訳にも挑戦しましょう。入試における英作文では頻出事項です。換言すると不定詞ができないと入試英作文は非常に厳しいのです。

前章本章と不定詞について話を進めてきて改めて思うのですが、教科書や参考書は『頭のいい人』『その教科だけでなく全てが分かっている人』『勉強ができる人』が作っているのだなとつくづく感じます。
だからと言ってそこが解らなくなって良い理由はありません。そしてちょっとたコツ(今回は『形容詞』『副詞』の整理など)に気付けるようになって一つ一つの壁を乗り越えてほしいと思います。