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76 5段階評価の『4』

76 5段階評価の『4』

千葉市のような2期制の地域では10月体育の日前後に前期が修了となり、通知票が発行されます。現在は通知表も厄介な、目くらまし教育のツールとなっているようで非常に残念です。

前章の『3年間オール5、135点満点の通知表』の生徒さんでも触れましたが通知表における得点と実際の学力は合致していないことが多いのです。

例えば、『オール4』の通知表を見て保護者様はどのようにお考えになるでしょうか。4は『概ね理解できている』というレベルとされています。だから『上の下』レベルか、悪くても『中の上』ぐらいと期待されるのが当然の心理です。

しかしそれを是認させてくれない資料があります。千葉県では毎年秋頃、各中学校より提出された『学習成績分布表』というものが公表されます。これは『5の生徒が●●%、4の生徒が●●%…』と各中学校から県の教育委員会に成績分布を報告するものです。千葉県公立高校入試の内申点調整はこの分布表によって調整されるのですが。。。

多くの学校で同様の傾向があるのですが、『通知表4は上の下レベル』という観念を根本から覆してしまうものなのです。

千葉市立こてはし台中学校の平成28年3月卒業見込み者の評定を例にしてみましょう。評定5と評定4を足すと以下の数値になります。
国語 52.9%
数学 56.1%
英語 50.3%
理科 54.1%
社会 56.1%
上記でご理解頂けると思いますが、評定3は『平均』ではなくそれ以下、と言う意味なのです。更に言えば『評定4でも場合によっては平均以下』と読み取ることが出来るのです。(上記数値では50%を超えるものが平均以下に該当します。)

運動会で一等賞、二等賞は褒めてあげたいものです。しかしゆとり教育はそれを否定して『全員が一等賞』としてしまいました。そうなれば頑張って一等賞を取ったことを褒めてあげることは出来ません。同様に絶対評価(そもそも絶対評価移行時の理念を現場できちんと理解して運用しているかどうか疑問ですがそれは別として。。。)による評定の上昇も学力が伴わないインフレーションが寄与することが多い以上はご家庭でも自戒して頂く必要があると思います。