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69 定期テストの過去問

69 定期テストの過去問

LS WILLみ春野本校にはこてはし台中学校の定期テスト過去問が2010年度半ばから揃えられています。それ以前の問題は前任者にそのような意識がなかったのか、散逸しているものが目立ち、赴任当初は難渋しました。

今回は『学校の定期テスト過去問はどのように活用すべきか』についてお伝えできればと思います。

生徒さんの中には『定期テストって毎年変わるんだね…』と驚いていた生徒さんが過去にいました。昔の大学教授の中には何年もテストが変わらず、先輩から後輩に試験問題が継承されたこともありますが、中学校の試験問題は100%毎年変わります。去年と同じ、という問題はまず目にしないものです。

以前見聞きした話ですが、全国的にも有名な個別指導塾が『定期テストの予想問題を無料で配布します』とチラシ広告で謳っていたことがありました。生徒さんの一人がその『予想問題』を貰ったそうなので見せてもらったところ、一年前の定期テストがそのまま配布されていました。まぁ、『予想』問題ですからいけないわけではないのですが…

昨年の試験問題を丸々やること、それは時間の無駄ともなりかねません。理由は以下の通りです。
① 毎年微妙に進度が異なるので、それに伴って範囲も変わる。
② 出題者(試験問題を作成する先生)が変わると必然的に出題傾向も変わる。

それでは試験の出題傾向は読み切れないものでしょうか。その答えはNoです。中学校の定期テストでは出題傾向が顕著に出るのでそこを攻め切ることも大切です。出題傾向の読み方は以下の手法が一般的です。
① その先生が以前に作った同じ(ような)範囲の問題を見る。
② 試験問題を分類する。

試験問題作成担当の先生が前回同学年を担当した時の試験問題を見る機会があればベストの資料です。しかしこれは息の長い対策(塾などで行わないと難しいでしょう)を要するため、一般のご家庭で対策を行うには難しいのではないでしょうか。それなら次善策として授業プリントや板書なども参考にしてはいかがでしょうか。先生の志向が出てきて今後の勉強にも興味が持てるようになるかもしれません。その先生が教えて下さる限りはという限定条件ですが…

試験問題の分類は以下の通りです。
(ア) 学校指定のワークからの出題
(イ) 授業演習問題(板書問題)からの出題
(ウ) 高校入試(特に公立高校入試)を模した出題
(エ) 独自形式問題

(ア)・(イ)の対策は問題ないかと思います。むしろそういった問題が多いことを認識できているかどうかの方が重要だと思います。特に(ア)は理科・社会の一問一答問題に多くみられるのが特徴です。現在は退官されていますが、以前こてはし台中学校に在籍された先生で出題の8割以上をワークから、と言う先生もいらっしゃいました。
(ウ)の出題でよく見られるのが国語の作文問題です。これは別途対策が必要ですが、先生によっては『こういう書き方をすればいい』と示してくださる先生がいらっしゃいます。その場合はそれに最大限沿った解答を書き上げることが得点への近道です。また、これに似て非なるものが学校定期テストにおける英語の自由英作文です。定期テストの自由英作文はほとんどの場合、範囲の重要構文を覚えていればいくつかの単語を入れ替えるだけで満点となるものが多いので勉強方法が異なってくると思います。
最後の「独自形式問題」は数学によく見られます。しかもこれ、難問とされるものが多いので十分な対策が必要です。ただ、難問といっても入試問題のように他分野との融合問題はあまり目にしない(そもそも定期テストは単元ごとの完成確認が目的のため、融合問題は少ないのが一般的です)ので当該範囲の解法を一通り習得しておくことでかなりの範囲をカバーできると思います。

定期テストの対策も論理的に行うことが大切です。もちろん単語や一問一答などがむしゃらな取り組みを要する分野もありますが、それらに時間を割くためにも時間配分をコントロールできる内容にしましょう。