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63 愛情豊かなのか、過保護なのか

63 愛情豊かなのか、過保護なのか

この点について評論することは非常にデリケートなものを含むので慎重にならざるを得ません。従って歯切れの悪い箇所が目立つようになるかと思いますがどうかご容赦下さい。

昨今のご家庭はお子様に対して非常に細やかな愛情を注いでおられる様子が感じられます。これは素晴らしいことです。

LS WILLでは毎月の運営予定を手紙でお知らせしていますが、毎年受験が迫ってくる時期に『夜食のレシピ』をいくつか同封することがあります。これは会社員時代から何となくやっていたことですが、最近はこれに対する反響が非常に多くなって驚いています。裏を返せば夜食を作っていらっしゃるご家庭が非常に多くなったということではないでしょうか。先日、中学時代の同級生と話す機会があったのですが、我々の時代は夜食など年に1~2回だったという意見が殆どでした。これは私の周りだけではないと思います。夜食に限らずお子様の一挙手一投足に配慮すべき時代になってきたのではないでしょうか。

以前、この夜食を作って下さるお母様に感謝の気持ちを伝えられない生徒様(中3男子)がいらっしゃいましたので私からお母様にそれとなくその旨をお伝えしたことがありました。そのことに対してお母様から少し驚く言葉を頂きました。
『そんなことまでするのは過保護ですか?』
もちろん、強い言い方ではなく、相談口調でした。お母様は少し迷っているようにも感じられました。

諸々の背景があってのことではありますが、これは過保護ではないと断言できるのではないでしょうか。お母様が愛情をかけ、お子様がそれに感謝できる関係性は過保護ではないと思います。それぞれに過保護という言葉の定義は異なると思いますが、お子様がお母様の愛情に正面から向き合うことができている状態は素晴らしい関係性だと思うのです。

日々の暮らしにおいて『あまり口出しすると過保護と思われるし…』と逡巡することがある、とお考えの保護者様は少なくないと思います。しかしそれをお子様が咀嚼して受け止めているなら適正な関係性なのではないでしょうか。

反対に、保護者様が全く意見を言わないことはお子様からすると疎外感・孤独感を感じるのではないでしょうか。

親子の間合いは非常にデリケートな出入りが要求されます。必要に応じて踏み込み・必要に応じて退くことがお互いにとって心地よい関係性なのではないでしょうか。

今回は『過保護ではない』ケースについて述べました。機会があれば『過保護なケース』についても論述したいと思います。